年末進行

何事にも区切りというものがあります。
色々な地域やそれぞれの個人ごとに、その区切りは様々です。

昔は、その区切り区切りでお休みがあったり、お掃除があったりと区切りを越えるための行事がはっきりとしていたものです。
年が変わるお正月などはその典型で、大晦日を前にお正月用のおせちを作ったり、大掃除があったり、またお餅をついたりと年内の行事が目白押し。年を越せば初詣、初釜に至るまで、区切りがはっきりとしていました。お正月の3日間程度、お店などもほとんど開いていませんし、学校も冬休み、会社も年末年始休みと落ち着いて過ごす、ひとつの区切りだったと記憶しています。

最近は年が変わって1日に開いている大型店舗など数多ありますし、そもそも24時間営業を謳ったコンビニに休みなどありません。受験を間近に控えた予備校などは言うに及びませんし。

生活には殆ど影響しなくなった年末年始という区切りですが、会社組織としては別途に年末年始進行というものが存在します。開いているお店の現場と違い、管理部門は年末年始の休暇がありますし、配送部門なども年内に年始までの納品を済ませて、年明けは道路もガラガラになっています。

色褪せてきた区切りでも、管理部門に残る年末年始休暇に合わせて11月の声を聴くと現場も慌ただしさが出はじめ、なんだか落ち着かない日々が増してくるようです。
師走という言葉は昔からありますが、情報流通の桁が違う現代では、昔の師走の如何にのんびりしていたか を懐かしく感じたりします。
きものの世界ではお正月に向けて は、一つの大きな市場でした。そういった風潮も今では輝きをなくした区切り は、市場としての価値を失っています。

いっそのこと、年末年始全員休み くらいな決まりがあれば、区切りを大切にしてきた この国らしさが復活するのでは と浅ましく想いを馳せます。

そろそろ年末進行に合わせて動き出し始めている皆さん、少しだけゆっくり自分の時間を持ってみませんか。着物でも着て!

編集部:この内容は過去の講演内容を編集部が文字起こししたものの一部を掲載しています。
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四季

最近、暑くなるのが早すぎるような気がします。
子供のころ、梅雨が終わって初めて暑さが出て来ていたように感じていたのですが、ゴールデンウイークが始まる頃には、既に初夏どころか、真夏の様な天気を1日、2日経験する年が増えました。

地球の温暖化 という括りでしきりにメディアが喧伝していますが、実際のところは1000年先にならなければ、本当のことは分からないように思います。

同様に秋 を感じる期間がとても短くなっていませんか? 残暑と呼ぶにはまだまだ鬱陶しい毎日が続いた後、いきなりストーブを必要とするほど急に冷え込んだりと、秋はいつだったのか! という季節の遷ろいに戸惑ったりします。
例年になく と天気予報は簡単にいいますが、この十数年、例年なんて言葉が当てはまる年があっただろうか と首をかしげてしまいます。

この業界にとって、四季の変遷は死活問題です。暦だけで商売をしているのは、成人式、七五三くらいで、四季の遷ろいに合わせて、4通りの販売スタイルを確立してきた手法は、肝心要の四季が三季とかになれば、歯車の一つを失ってしまい、お客様にとっても商品の選択が難しい という話になります。

この時期は、大好きなセイダカアワダチソウが爽やかな秋風に乗って揺れている そんな光景ばかりを期待してしまいます。都会の中で全く見る機会もなく、いつの間にか冬の雲を見るのは寂しい限りです。

編集部:この内容は以前のブログの一部を編集部がカットして掲載しています。

流通

物販による付加価値というのは、地元にないものを取り寄せて販売していくところに発生していました。
紀伊国屋文左衛門のみかんは有名なもの話ですし、この業界の京ものと呼ばれる流通も京都のものを各エリアが地元で作れない、今、品薄という所に商品を運んできて大きな付加価値(運ぶ側にとっては、大きな利益)として、流通を成していました。

問屋 という括りは、その情報を他のエリアに、その商品の存在を知らしめ、効果を宣伝し、小売店に広く販売する という、情報機能、在庫機能、流通機能を担って、大きな躍進を遂げてきたと思います。

昨今は、ネットで個人個人が自分に興味のあるものを探し出し、受注機能をネット上で身につけた生産者が在庫の在る無しを表記、直接受注、更に宅配機能を備えた大手運送会社が直接、発注者に商品を届ける という、問屋という機能を代替してしまい、結局のところ、消費者にその存在を知らしめる広告という情報で、如何に興味を持ってもらうかという点が、商品の流通のカギを握ることになっています。
これがそのまま、小売店の販売にも影響を及ぼし、お店はショールーム化して、展示品を見に来るけれど購入は何かと特典の付いたネットで という流れになっているようです。

ここで、情報発信力、流通以外の付加価値、アフターケア という機能を疎かにした店舗は残念ながら淘汰されていく運命になっています。

これは世の中の情報スピードが上がるという時代の流れに沿った成り行き以外のなにものでもないのですが、流通に中で残る、配達 という部分を考えると、これはその仕組みを握った運送会社の一人勝ち という結果を招きかねません。

宅配便の人に話を伺うと仕事はとてもハードそうです。しかし、個人宅を訪問して商品を届ける という中で得られる個人情報が、その内、問屋、小売店という機能すらこの運送業者に集約されていくのではないか と思われます。
どの家庭がどの時間帯に在宅し、配送先名を見て家族構成を知り、どこの商品の配送が多いか。。。彼らが持つ個人情報の豊富さ、中身の深さは、いずれこの国の流通を支配して行くでしょう。

配送運賃の値上げが相次いで起きています。
運送流通を握った大手の宅配事業者は数社で、いつも横並びに運賃を上げて参ります。
宅配機能を疎かにし、業者に委託していた小売店にとっては、残念ながら値上げ要請に逆らう術がありません。商品価格に転嫁すると、それは生産者が出す価格より高くなってしまう そんな中、ショールーム化していく店舗の維持には、生産者や運送業者が成しえない付加価値を見出していく他、生き残りの術はないのです。

この着物業界も対面販売が当たり前の時代も終焉が見えてきています。今、大きな変革の時期と大きな決断が迫られています。
その内、SF映画に出てくる立体画像が自宅のPCで見られるよういなる筈です。そうなれば残されたショールーム機能、対面販売機能 すら、運送業者に握られかねないと危惧しています。

編集部:この内容は以前の講演内容を文字起こしして、編集部が一部編集・改訂したものです。10年前の講演ですが、3Dの下、この話が一部具現化してきました。カルチャーという事業に関しても同様の変化がこの数年起こっている現実に、さらなる工夫が必要になってきています。

予定

旅行などの予定を組んで早くから準備を行い、日程が迫ってくると旅行先の天候を調べて と。。。  実は旅行の楽しみはその準備の面倒さを含めて楽しさ が始まっているのではないでしょうか。
一緒に同行する人との打ち合わせも手間のかかる話ですが、それはそれでまたたのし です。

この十数年で大きく変化したものに 待ち合わせ があります。待ち合わせは、例えば◯◯駅で夕方ね というのが主流。携帯電話が普及してからこちら、渋谷のハチ公像の存在感は大きく薄れ、三越のライオン像は知らない人もいるようです。時間は今、自分がいるところを相手に公開することで  場所は西口東口と広い範囲で  近くに行ったらメールするね の一言で済みます。この結果駅前の喫茶店は電話など取り次ぐ必要もない、税金を払わないスタバに変わり ←ここ大切です  たくさんあった公衆電話も駆逐され、待ち合わせ相手の自宅にどなたかがいる必要もなくなりました。(遅れるときの連絡先として待ち合わせ相手の自宅に電話して何分くらい遅れる旨を伝え、待っている方も自宅に電話して伝言を確認するという連絡手段だった ですね?)

このように世の中の予定に対する認識が変化していったように思います。遅刻という事への思いもそれぞれ変わってしまい、連絡しておけばOKの緩い約束事への認識変化です。

ところがマナーというのは、機器の進化に随分と遅れて常識化していくもので、待ち合わせなど頻繁に繰り返されるものは、そこそこマナー自体も変化していくのですが、あまり生活の場で必要のないもののマナーに関しては驚くほど昔の流儀が幅を利かせています。
着物の世界ももちろん後者で、いつの時代の話だということが当たり前に伝えられているのです。
変わらぬものを伝統と呼ぶのであれば、それはそれで一つの姿かもしれません。しかし衣食住の一端を為すものとして時代の流れに対して数百年変わらない流儀など、きもの姿になることへの障害にしかならないと思えます。着ることにマナー違反とか、この個性が尊重される現代では誰もが鬱陶しい想いを抱くのではないでしょうか。
それがまたマナーと称する話を右と左の人が違うことを言うし。。。

悦文カルチャーではそういった概念を知らせながら、今の様式にあった着物の着方を習えます。常識を知りながらその上で個性を発揮できる これはオシャレ以外の何物でもないですね。是非、一緒にきものを習ってみませんか。

編集部 この内容は以前掲載された雑誌の内容の一部を編集 改訂の上、起題して掲載しています。

出先で急な雨に降られると、別に着物の時ならずとも困ったことになります。
洋服であれば洗濯の方法や靴のお手入れなどある程度、知識も経験もお持ちですので、まだ困った度 が低いかも。

着物に限らず、絹製品のお手入れに関しては、日ごろから対応する機会が多くないので後の処理に困ることが多いようです。実際、雨に打たれてしまって とご自分の着物をお持ちになられる生徒さんも悦文カルチャーでは多く見受けられます。

絹製品が水に案外弱い ということもあり、着物に関してはある程度雨対策のガード加工を施しているケースが現在では多くなっています。悦文カルチャーでも特別な指示がお客さまより無ければ、ほぼ全ての着物にガード加工を致します。
葉っぱに水を垂らすとクルンと丸くなって落ちていきますが、それと同じような効果がある撥水加工を施します。そういった加工をすると、それぞれの産地独特の風合いが変わる という手合いもおられますが、風合いって・・と笑ってしまいます。

風合いが分かる程のベテランがどれほどいるのか というのが今の世の中です。

ですから、悦文カルチャーの生徒さんが雨に打たれて と持ち込んでこられる着物の殆どは、1週間もするとお手入れが整い、喜んでお持帰りいただけることになります。

あまり気付かれませんが、困るのは草履。もちろん雨用草履という、雨対策を完全に施した仕様の草履であれば何の心配もいらないのですが、通常の草履ではせいぜい生活防水程度の処理しかしておらず、本格的な水対策は為されていないのが現状です。

というのも、この数十年きものを着用する文化が廃れていく中、式服としての着用に特化しつつあった着物において、それは式場や会場の中で着替えて使用するものとして、外を歩くことより如何に艶やかで煌いているか を優先した販売手法が主流となっていたからです。従って雨への対策など必要ない商品がほとんどを占めることになりました。

生徒さんから修理に持ち込まれて、スタッフが一番悩むのが、これらの草履です。何故この様になったのかという原因を伺い、今後どの程度ご使用されるのかを相談し、修理にかかる費用が、その使用頻度にあうかどうか、所謂、費用対効果をお話しします。
着物と違って修理の度合いの差が大きいから という理由です。簡単な修理で良ければとても安く済みますし、重大な対策を施すのであれば、それこそ新しい今風の草履が買えてしまいます。≪つづく≫

編集部:この内容は以前の講演を文字起こしして掲載したもので非常に長いこともあり数回に分けて掲載します。また講演の主題が違いますので、それぞれの回に分けたものを編集部が起題しています。
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Author:えつぶん
悦文カルチャーを通して色々と見たもの、聞いたものを皆さんに報告するコラムです。

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