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変遷

海の向こうの国では通販会社が、ドローンを使って配達をしようという計画があるそうです。

消費者のマインドが通販に対するイメージと流通品質が一致しているからこそ出来る計画で、この国では、かの昭和の歌手が言った「お客様は神様です」を販売、流通に適用しようとした人々の試みで、消費者という概念の方が圧倒的に強くなってしまった市場で通販会社の試みが成功するには、あと4半世紀時間が必要と思っています。
昭和の大戦後、モノ不足という事を体験した人々が消費の中心から離れ、神さま扱いされた人々が席巻してしまった結果でしょう。

対面販売には、聞く、触る という経験が必要なものだけが残り、画一化されたもの、コモディティが進んだ規格物 に関しては少なからず通販の流通に吸収されていくだろうと海の向こうの国を見て考えられます。

着物業界にいる者として、この業界は通販に駆逐されるのは廉価なものを扱っている小売りから始まっていくのでしょうが、家、家具などと並んで、対面販売が最後まで残っていく業界なのではないか と思っています。

しかし、いずれは人々の勤務体制が変わり、流通形態が整ってきたとき、その最後の対面販売も潰えるときが来るのでしょうね。

問屋 というこの国独特の流通形態の基幹は、情報・在庫・流通・金融で成り立っていましたが、この情報化時代、流通業者の発達と在庫 ←つまり金融機能ですね に関しては、既に不要の業態になっています。その先にあるのは、製造業と消費直接結びつける形で、いずれ小売店という概念もなくなってくることでしょう。

悦文カルチャーも、そうなると当然業態を変化させていかなくてはなりません。
きものを着るという技術を廉価で販売するという部門は幸いたくさんのお客様に喜ばれて参りました。
ひとりで、早く、キレイに着る というコンセプトをこれからも磨いていって、流通の変化と関係なく、将来に残していく事が出来るよう、スタッフ一同、日々努力 ですね。

編集部:この内容は10年前の講演内容から一部を抜粋し、編集部が改訂・起題したものです。この内容、現在ではもっと進行しています。

悦文カルチャーは、8月11日(土)~15日(水)までお盆休みをとらせて頂きます。
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夏の藍(bebeya通信)

編集部より

毎日暑い日が続きますが、皆さま充分な猛暑対策をされておられますでしょうか?
これだけ暑い日が続くと、着物なんて! と思っておりましたが、bebeyaにお越し頂けるお客様は、案外ときもの姿の皆様が多いようです。
これだけ暑いと何着ても暑いのさ~ というお言葉にはスタッフ一同、たいへんな元気を戴け、有難い限りです。
もちろんbebeyaに涼みにお越しになられる皆様も結構おられるのですが、大歓迎です。
bebeyaは店長の方針で冷房温度を低く設定しています。環境問題なんのその で恐縮ですが、スタッフも普段は2階で仕事をしていますが、この時期は何となく一階店舗の中で作業をしたりしています。
よねこさん6月

今回のよね子さんは、藍の着物でお迎え と言っても夏のポリエステルなのですが、涼感をテーマに作られた繊維を使用していることもあり、ポリ本来の肌にまとわりつく感覚や熱を溜めてしまう性質をかなり低減しています。自分で洗える着物として好評です。帯は博多織の夏袋帯。有名ブランドのものですが、絽組になっていて風通し抜群です。

よね子さん(お迎えマネキン)が着るとすぐに売れるというジンクス を継承していて、今回も長襦袢(夏用の絹)まで含めて 25,000円で提供です。一説では、よね子さんが着ているから売れるのでなく、安いからよ! というご指摘も。
モデルさんが着用したものですから、こんな価格なんです。。。
どうぞ皆様、よね子さんを見にお越しください。

蜘蛛の糸2

最近の遺伝子工学で、このベタベタする物質を含まない糸を吐く蜘蛛を作り出した というニュースを見かけました。現在の精練・製糸技術をもってすれば、この糸が安定して生産されると絹糸より丈夫かつ長いという意味で動物性繊維の王座に君臨するかもしれないのです。
長い繊維というのは毛羽立たない、更に強い張力を持っていれば少ない糸で織り方にも多様な工夫が可能になる という、ある意味夢の繊維になるかもしれませんが、蜘蛛が吐いた糸ということとと遺伝子操作 という2点で市場に受け入れられるには、まだまだ長い時間が必要かもしれませんし、繊維技術の発展という意味で、化学繊維が全ての点で自然由来繊維を凌駕する時が来て、その優位性が生かされない可能性が高いようです。
そういう意味では、絹糸は人間世界において、数千年に渡る歴史を既に持っていますので蜘蛛の糸に対するアドバンテージの高さを揺らぎそうにないですね。

これらの話を聞きながら感じたことは、スパイダーマン対モスラ とロマンに溢れる??夢想でした。

遺伝子工学云々 という点は、お米にの新種、魚の養殖、繭の定量生産 など、ある意味昔から行われてきたことのように思います。牛や羊の放牧、養豚など、すべての面で人間が何かしら手を入れてきたのが現実で、それはゲノムを触るという研究室での作業ではないけれど、地面の上や海の中で時間をかけてやってきた改変とつながるものがあると思います。かといって野生のものだけを人間が使用していたのであれば、これだけの人口増はなかったでしょうし、さらに環境破壊も凄まじいことになったことでしょう。
いつか蜘蛛の糸が定着化し、絹との着心地を試してみたいものです。しかし残念ながら これを実感できるのは次世代以降でしょうね。

スパイダーマン対モスラ この業界に長い身としてはモスラに勝って欲しい という思い入れは捨てきれないのですが。。。

編集部:今週分は前週からの続きの文章です。
この内容は以前、雑誌に寄稿した内容の一部を改訂・編集して掲載したものです。
編集部のコメントで繰り越した、蜘蛛の糸から作られた着物が  の続きは既に市場に出ているそうです。着心地を聞かれた人のコメントは、違いがよくわからないという事でした。遺伝子工学の力とは言え、実際の市場に浸透するのはまだ先の様です。

蜘蛛の糸1

タイトルだけ見ると芥川龍之介の短編と同じです。
現在、作家に送られる賞として、直木賞と並んで著名なタイトルですので、この国の皆さんは、「蜘蛛の糸」の内容をご存知かと思います。しかしこのコラムは天界から垂らされた1本の糸に群がっていく亡者たち というお話ではありません。

今回は、着物や帯の素材についてのお話です。

絹製品は繭から作られます。繭はガの幼虫が成長するまで、自分を守るために吐き出した糸の塊。動物性繊維として最長の長さ(約1km)を持っているものです。この糸を長繊維と言いますが、他の長繊維は芭蕉などの植物性が多いようです。

他の動物性繊維としては、羊毛などが有名ですが、これらは木綿などの植物性繊維と合わせて短繊維という括りになったりします。
長い繊維としては現在は石油由来の化学繊維がありますので、絹糸の長繊維としての特徴は際立たなくなりましたが、それでも自然由来という意味では、その貴重性はほとんど損なわれていません。
ところが自然界にはもう一つ長い糸を紡ぐ動物性繊維があります。
そう、標題の蜘蛛です。

最近の人はあまりご存知ないかもしれませんが、ほんの数十年前までの人々にとって、蜘蛛の糸 ←というか蜘蛛の巣 は、厄介なものでした。長い糸を張り巡らせて網を作り、そこに他の虫を絡めていく捕食方法は、人間にとっても触るとベタベタし、そんなものが家などに出来ると、知らぬ間に髪の毛についたりする つまり、厄介なものだったのです。


編集部:この内容は以前雑誌に寄稿した内容の一部を編集して掲載していますが、それでも長い文章ですので、今週と次週の2回に分けてエントリーしています。現在では、文中にある蜘蛛の糸で、、、、こちらも次週に繰り越します。

きものをキレイに着る

きものの美しさは、360度の変化にあると言われたりします。

前から歩いてきたご婦人が着物姿だった時に、うん! と思って見るところは、前身頃にある絵だったり肩口にある図形など紋様に目が行きます。そして衿元。
前を歩くご婦人が着物姿だった時には、帯の紋様。そう、後ろ姿の着物姿は着物でなく帯を見ているのではないでしょうか。

一時、この業界では着物を購入したついでに帯を売る という風潮が続きました。
帯はほぼ生産の8割を西陣(京都市上京区)、残りを博多(福岡市)で生産し、しっかりと流通などの管理が出来ているため、きもの屋は帯で高利を得ることは難しく その分、きものの付加価値を高めることに走りました。

確かに購入するときに帯の希少性、芸術性を謳うより、きものの方がやり易かった事でしょうし、そもそも着物姿全般に消費者の知識がないことも相俟って、なんとなく帯を付属品扱いにしてきた販売方法があったようです。

しかし時代が進み、着物姿自体が貴重になってくると、帯の重要性を理解しうる人が着物をよく着るようになります。また長襦袢、着物は見よう見まねで着ることが出来ても、帯を結ぶとなると、これは意外に難しいことは着た方ならお分かりの筈です。着物という消費者に分かり易いものを売っていくという販売戦略も、実際には着物より帯の方が周りに見られている と消費者が気づいてこられるようなられ、帯選びも重要なファクターとなってきました。

悦文カルチャーでは、そのポイント

1.衿元 2.お端折りの出し方 3.帯結び 

を授業の中で大切に扱っています。

これを言っちゃお終いよ! かもしれませんが、悦文カルチャーの生徒のきもの姿は、美しいのです。他の着物教室、着付け学園を総じて敵に回しても、事実は事実(本人の感想です)。
キレイにきものを着たいのなら、簡単に帯を結びたいのなら、悦文カルチャーで!

編集部:なんと手前味噌な内容ですが、以前のブログに掲載されたものの一部です。帯結びに関する記述は長いこともあり今回は割愛して改訂・編集をし、別建てで掲載予定です。
しかし筆者の感想 とありますが、生徒さんからの声も同じ感想が多いようです。
プロフィール

えつぶん

Author:えつぶん
悦文カルチャーを通して色々と見たもの、聞いたものを皆さんに報告するコラムです。

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