繊維街

とある大都市の窓からの風景です。
窓の外のビル群19-09-12

この窓からの光景は以前のブログにもアップしたことがあるのですが、そのころと比べると窓外に映る景色が大きく違っています。ほんの数年の事なのですが。
この窓から、以前はビルの屋上越しに街と空が一体化するあたりまでを望むことが出来ましたが、今では雨後の筍の例えの如く、背の高いビルがどんどんと建設されていったのです。
また建設中のものもあり、これからもどんどんと空中化が進むのでしょうね。

このエリアは、昔むかし繊維街としてこの国に名を馳せていた地域なのですが、現在繊維関連を思い起こさせるものは殆どありません。せいぜいビルの名前くらいでしょうか。
着物に限った繊維街という訳でもなかったのですが、繊維関係の運営は大陸や東南の国々に拠点を移し、この国の産業基盤からどんどんと撤退していっている現実を目にすることになり、寂しい想いです。

その果てに行きつくのが不動産業というのも悲しい話ですが、人口減少が進む中、またいつの日か、不動産需要も下降線をたどり、二回目の土地バブル崩壊があるのでしょう。
入居を決めた動機が見渡す限りの景観であったならば、後から出来るビル群は、入居の動機に棹差すもので、一種の詐欺にあった気になってきます。当然、家賃の値下げをオーナーが通告しても良いような事案ではないのかしら。

右手に見えるビルがこれからもどんどんと上に伸びて、この繊維街で一番高いビルになったら、そちらの上階へ移動して、しばらくの間、見渡せる光景をもう一度手にしたいと考えています。
繊維業界もそのように移り変わって発展を遂げていきたいものです。もちろん着物も!

編集部:この内容は以前のブログの一部を掲載しています。現在では文中のビルの横に更に背の高いビルが建設中です。。。
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タイミング2

世が世なら というお話を昔からよく聞かされました。
それは昔の栄光を語る言葉として便利なもので、世が世ならそれこそ、人類が滅亡していたかもしれない といった方向には使われません。

着物に関しても同様で、世が世なら今でもこの国人々は全員着物姿で毎日を生活していたかもしれない という想いは、この業界にいる人間なら抱く幻想です。

一人一人が抱えている、分岐点 という時期は、それぞれに沢山あるのではないでしょうか。
あの時こうしていれば あの時の悩んだもう一つの方向に向かっていれば と、その思いは数知れません。しかしながら覆水は盆に返ることなどなく、今を過ごしていて、またこれからもその分岐点、岐路に立つことはたくさんあるでしょう。
その時に、将来後悔しない選択が出来るようにしっかりと検討し選択していける知恵を身につけておきたいものですね。
交差点
写真は都心のある光景です。一方通行のこの道から出てくる車は、写真の交差点で3つの方向が選択できるのですけれど、実は赤信号で並んでいる場所によって、既に選択肢が絞られてしまっているのです。こんな風景を見ながら、ずっと以前にした判断が進むべき道の岐路を狭めていっていることに驚き、着物の業界について思いが馳せられたりしています。
先にある分岐点を予想して、岐路に立ってから考えるのでなく、その準備も必要になるのですね。
昼下がりの、とある光景からでした。

編集部:この内容は以前にアップした同名の題の文章の続きの一部です。全文は以前の有料メルマガに掲載されています。なお、題名の数字は編集部がつけたものです。

単衣

地球温暖化 というテーマに沿って色々なところで議論が交わされています。
確かに昔より夏がより暑くなったように感じるのですが、←個人の感想です 実際のところアスファルトの路面や鏡張りのビル、車輛の多さなど人間を取り巻く環境の変化の中に住んいるのと、雨が降ると水たまりだらけの道や木造の家屋中心の街並み、偶に通る車 の時代と比べるのもどうか と思います。
かといってエアコンなどが珍しい時代に逆戻りをする訳にもいきませんので、環境の変化に応じた衣服の伝統と概念を変えていかないといけない時代になったと思います。

伝統的な着物文化に於いても、既にその変化が見え始め、昔は1年の中で2ヶ月しか着る季節がなかった単衣仕立ての注文が増えているそうです。すわ着物の市場拡大か! というと、その分 出番の減った袷仕立ての着物の販売量が落ちている という事ですので、結果的には総販売量が減る一方の流れは変わっていません。
そもそも単衣と袷の違いというのは、裏地があるかどうかという事ですので、裏地代が減った分、売上が落ちる と単純な話ではないのですが、中途半端な季節の位置付けが更に混沌として、買い控えるという悪循環が出ているように感じます。

もともと しきたりやマナーの煩いところに持ってきて、環境の変化が加わり、着物を着るくらいなら洋服の方がまし というところでしょうか。
確かにマナーの煩い式典などは、外の環境変化に対応した空調設備を完備したところで大半が執り行われます。家から着物を着て出なくてもそういった施設には更衣室があるのでそこで着替えればよい、家から着ていくのであれば車輛を利用して会場まで乗り付ければよい と益々着物にかける費用が嵩む というジレンマに陥ります。
解決策は一つで、他の人がどんな着物を着ていても他人がアレコレ言わない世の中になることで、右に倣えが教育の基本、空気を読むのが社会人の務めみたいな、この国では当分実現しないような解決しかないのでしょう。

お墨付きは、自分が着物について習った呉服屋や着付け教室の先生から、それでOKです という太鼓判をもらって初めて冒険が出来る そんな和装知識しか浸透しなくなった時代ですね。

温暖化! の旗印の下に、ゴールデンウイークからシルバーウイークまで、単衣の着物で涼しく出かけてみましょうよ。
ドレスコード--もちろんOKです。


編集部:この内容は標題で書かれた昔のコラムを基に、現在では少し違っている部分を編集部が外して繋いだものを掲載しています。

旅のやど

最近、価格を抑えたビジネスホテルの宿泊予約が取りにくくなりました。背景にはもちろん外国人観光客の増加があり、今まではビジネスホテルまでは降りてこなかった海外の宿泊パックも、観光立国を目指している この国の誘致活動の成果もあって格安のパックツアーなどが、海外の代理店などで販売されるようになってきた という事だと考えられます。

大きなイベントがあると、周辺都市まで予約でいっぱいになる という現実は相当昔からあったように思うのですが、日々稼働率を気にしなければならない宿泊産業にとってピーク時を基点とした施設の準備は難しい話です。
この影響を受けて、ビジネスに利用するに当たっては、相当早くからの予約が必要、そのためには行動予定を早く組むための相手さまとの折衝、等々、全国で出張を行うビジネスマンの活動が大きく変化していっているように感じます。

宿泊を伴う出張は数十年前まではそれなりの風情があったように思います。毎月定期的に出張を重ねるビジネスマンには馴染みの宿 などが出来て、どんなに混んでいても、女将さんが部屋を用意してくれる ←最悪の場合、女将さんの部屋を明け渡すくらいの対応もあったそうです くらいの便宜を図ってくれたものです。
そこにはビジネスとはいえ、旅の風情も現代とは違ったものがあったことでしょう。
お風呂の後に浴衣を着て部屋で食事 こういったものも今では高級!と名の付く旅館くらいでしか経験できなくなりつつあります。

その旅先での浴衣ですが、ほぼ寝間着としての位置付けです。
昨今の浴衣ブームなどと報道で取り上げられている、花火大会の浴衣姿は、夏きものくらいの感覚で捉えた方が良いかもしれません。ファッション性に富み、可愛い帯結びをして出掛ける訳ですから。
ビジネスホテルなどでは、部屋着として用意されているものが、浴衣のところも未だあるようですが、最近の主流はワンピースが多いようで、ここにも時間の移ろいを感じてしまいますね。

浴衣姿で夜の入り口を部屋で過ごす こういう姿が復権することはもうないのかもしれません。なにしろ、夜になっても皆さん忙しいようですから。

編集部:この内容は10年以上前の同題コラムより一部を引用して掲載しています。この頃には東京オリンピックの誘致など考えもつきませんでしたが、2020年の夏、東京出張とか、あまり想像したくない気がします。

お手入れについて

編集部より

先日大雨の被害でとんでもない犠牲を強いられた九州北部のお客様から、きもののお手入れの要請がありました。着物と帯、長襦袢、帯締め帯揚げと相当な点数が届き、それらの品物が被災の大きさを物語っていました。

改めまして、被災地の皆さんにお見舞い申し上げます。

お客様にとっては思い入れのある、そして大切な品々です。
全力で、きれいにして早くお返しして参ります。復興も半ばと伺っていますが、いち早く きものの保全を考えて下さったお客様をがっかりさせては申し訳ないと思います。

今回は当地の社員の実家などにも被害が多少あり、復興のお手伝いボランティアには参加出来ませんでしたので、代替の措置として、お手入れ料金の方で応援させて戴くことに致しました。
被災エリアでお困りの方、是非悦文カルチャーにお声がけください。

今回は通常のコラムでなく、編集部よりのお知らせを掲載させて頂きました。
プロフィール

えつぶん

Author:えつぶん
悦文カルチャーを通して色々と見たもの、聞いたものを皆さんに報告するコラムです。

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